雨の日

今日は雨の日、というには少し降りすぎだけど

私は雨の日がそんなに嫌いじゃない。

雨がざぁっと降る中、傘をさして歩くのは

足元が濡れて気持ち悪いけど、

いろんな音がシャットアウトされて

私の傘が雨を受ける音だけが残るから

傘の中で、今の私、が切り取られた気分になる。

傘の中は静かで、ひとりきりのよう。

いつもよりゆっくりと時間が流れる気がする。

だから、つい考え事をしてしまう。

そこでは、しばしば

いやだなーと思うことを考える。

でも不思議なことに、雨の日は滅入らない。

ま、仕方ない、頑張るか、と落ち着ける。

時々は、彼のことを考える。

次の合う日までの日数を指折り数えたり

この間のデートを思い出したり

あの時拗ねたのに優しかったなって感謝したり

最終的に、あぁもっと大切にしよう、

私は幸せなんだな、と思う。

そして稀に、

この雨を喜んでいるカエルとかカタツムリを、

この雨を避けている小鳥たちを、想像する。

カエルやカタツムリが

本当に雨を喜んでいるのかどうか、

実際のところは知らないけれど。

今日もすごく降ってる。私は家にいる。

仕事場にいると

外が暑かろうが寒かろうが

雨が降ろうが雪が降ろうが分からないので、

ちゃんと天気を実感できる家にいられることが

とても自然なことで、嬉しく感じる。

雨は、私の不幸も洗い流してくれていると

なんとなあく思ってる。

だから、たまにはざぁっと降ってくれないと

なんかスッキリしない。

今日は色々流してしまおう。

雨の日は私の頭の中が心地よく思考する。

私は落ち着いた空間がすきなんだなと思う。